主に中途採用を中心とした採用力強化のための候補者プール形成から選考、入社後各種プログラムとの連携まで一貫したアクション体系の設計・導入そして運用を支援します。

タレントアクイジションとは?

タレントアクイジションとは、企業の競争力強化のため良い候補者を見つけ、アプローチし、採用し、活躍をサポートする一貫したプログラムのことです。人事部門が主体となって会社にとってベストな社員を手に入れるための戦略的なプログラムです。
自社のリソース、マーケットポジション、ブランド力、競合企業、採用市場の状況など様々な要素から、どのように有望な社員を見つけることが目的です。

タレントアクイジションがなぜ重要か

一言でいえば、競争力を得るためです。自分の現在の職務に満足している社員は30%という調査結果もあります。昨今は転職に対する価値観も変化しており、魅力的な社員が労働市場に出てくるようになりました。しかしながら、一部のリーディングカンパニーでない限り、受け身の姿勢では有望な社員の申し込みはありません。そのため、採用に関してしっかりと事前に戦略を立てることが必要なのです。高い給料を支払えることは魅力的ですが、それ以外の様々な要素を見て転職者は入社を決めます。

採用とタレントアクイジションプログラムの違いとは?

日本語では採用という言葉が一般的ですが、欧米のように転職が当たり前の文化になっている地域では、タレントアクイジションという言葉が一般化しています。一見、採用とタレントアクイジションは同義語に感じられますが、明確な違いがあります。タレントアクイジションは採用の概念よりも大きなカテゴリーになります。その着目点も異なっています。採用は、空きポジション(採用予定人数)をいかに埋めるかを目的としていますが、タレントアクイジションでは、適切な人材を選び出し、その人材が職場で活躍することをサポートするまでを主眼に置いています。より現場のニーズにあった社員を、高い確度で活躍させるにはどうするか、タレントアクイジションでは検討を行います。 そのため、採用はタレントアクイジションの一つのプロセスになります。当然、採用は重要なプロセスですので、改めて説明を行います。

タレントアクイジションプロセス

タレントアクイジションのプロセスは大きく分けて以下の5つです。

1.タレントアクイジションに関するゴールを決める

企業の置かれた状況は千差万別です。市場や競合の分析、予算の見積もり、自社で不足している人材を特定など様々な情報を集めることが必要です。優先順位を決めて、ターゲットとする人材のポジション、予算、必要な期間を決定します。

2.候補者へのアプローチ方法決める

採用のためには候補者を見つけ、コンタクトを取らなければいけません。まずは、どういった方法(媒体、採用手法など)を使うかを確立しなければいけません。候補者はどこにいるのか、どうやってアプローチをするのか、一定程度の候補者を集めるための方法を決めましょう。

3.会社のブランド価値を高める

候補者にとっての会社のブランド価値を高める努力をしましょう。仮に、世間的には無名の会社であっても、候補者に対して、しっかりと丁寧に企業のことを発信していればそれはブランド価値になり得ます。良く知らない会社に転職しようと思う社員は少ないでしょう。さらに、インターネットで検索して悪評(コンプラ違反、パワハラ、ブラックな労働環境など)が見つかるような会社であれば、致命的です。早急に対応が必要です。転職者の口コミサイトなどの情報も重要な要素です。

4.候補人材との関係を管理する

採用を本格化する前に、有望な候補者に対して会社をきちんとアピールできていることが大切です。働きたいと思われる場所に会社になっていないといけません。
新しい職場を探す理由は前向き後ろ向きあり、人それぞれですが、職場環境や認知度に拘りがない人はほとんどいません。有望な候補者ほど、成長の機会を求めています。CDF、キャリア開発プログラム、オンボーディングプログラムをきちんと示すことがそのまま採用に繋がります。
採用におけるマーケティングでは、以下を意識してください。

(A)認知してもらう
会社のことをまずは知ってもらいましょう。組織に対しての認知度を高めることが必要です。採用サイトの充実、ソーシャルメディア、採用メディア、広告を活用しましょう。

(B)興味を持ってもらう
会社に興味を持ってもらい働くイメージをもってもらいましょう。一度、候補人材のプール(会社に関心がある人の集団)ができれば、次は働くことをリアルに実感してもらうことが必要です。キャリア開発や能力開発方針を積極的に打ち出します。成長できる場所だと思ってもらえると、候補者は入社を検討するようになるでしょう。
ジョブフェアへの参加、ソーシャルメディアマーケティング、会社主催のキャリア相談会(オンライン、オフライン)等、候補者との接点を如何に増やせるかどうかが肝要です。カジュアルな雰囲気で、メッセージが伝わりやすい環境を整えましょう。

(C)入社を検討してもらう
候補者が次のキャリアとして検討を開始している状態であれば、実際の空きポジションを紹介しましょう。候補者プールへのダイレクトEメール、業界広告、採用メディアへの広告、自社やSNSでの告知などあらゆる手段を検討しましょう。次回以降、効果的に予算を消化するため、費用対効果は必ず事後的に検証しましょう。

5.候補者から採用を行う

いよいよ候補者プールから申し込みがあったところで、採用を行います。
候補者が多ければ、ある程度の基準を設けて、選抜し、面接を行います。
採用が決定すると別ページで紹介した、オンボーディングプログラムに沿って、入社社員が活躍できるようなサポートを行います。

大事なことは、採用に至る各プロセスをしっかりと管理し検証を進めることです。タレントアクイジションは一連の流れになっていることが大事です。候補者へのアプローチと採用、面接で伝える内容に矛盾があれば、候補者は不信感を抱きます。例えば、採用段階での失敗を分析して、採用マーケティングのメッセージを修正する、SNSでの訴求ポイントを改善するなど、全体的な視点が必要になります。

タレントアクイジションの様々な手法

上記に述べた一般的なタレントアクイジションの採用プロセス以外にも、多くの企業が以下のメソッドを取り入れています。

1. 業界内の一流人材の引き抜き

業界内で活躍している人材に直接アプローチして採用を行います。を利用します。業務上の関係から採用に至るのは難しい面もありますが、プライベートでの関係性が構築されていれば採用は可能です。大学の同期、業界内のネットワークで知り合った個人的な繋がり、知人を介しての繋がりなど、意外と多くの接点があるでしょう。一流の人材ほど多種多様なネットワークを作り上げていることが多いです。以下のリファラル採用にも含まれます。

2.リファラル採用(推薦、紹介採用)

リファラル採用は、従業員を通じての候補者の推薦や紹介をしてもらうことです。各従業員は平均して150人以上の人的ネットワークがあるとの調査結果もあります。さらに、採用に至るまでの期間も1か月弱と、採用媒体やSNSへの広告に比べて時間的なメリットも大きいです。リファラル採用に貢献した社員には、謝礼を支払う仕組みにしている会社が多いです。
社内に候補者のリソースが眠っていることになり、これを活かさない手はないでしょう。

3.フリーランスやパート、契約社員から採用

フリーランサー、パート、契約社員から正規社員に採用を試みるものです。すでに会社としての業務の実績があり、実力や勤務態度が分かっているため、戦力としての見込みも付きやすいでしょう。

4.インターンシッププログラムの拡充

有望な学生を採用するには、魅力的なインターンシッププログラムを作成することが必要です。事務系職員だけではなく、研究職や専門職の採用にも効果的です。大学の研究室との関係を構築することで、一定の質の学生にアプローチすることができます。インターンシッププログラムを通じて、候補者との関係性を築くことで、採用が容易になります。

5.すでに離職した従業員へのアプローチ

過去、なんらかの理由で退職した社員に対してアプローチすることも効果的です。当然、離職した理由に拠りますが、プライベートな事情や一時的な事由の場合、現時点では事象が解決している可能性があります。働きぶりの良かった社員に対しては、一度コンタクトしてみることは非常に有用な手段になるでしょう。非公式な場を設けることで、思わぬ退職理由が聞けることもあります。その場合、リテンションプログラムの改善にもつながります。

6.社内人材に目を向ける

CDFやキャリア開発プログラムとも関係していますが、外部人材の採用を試みる前に、社内人材に目を向けましょう。大企業では、採用プロセスを始める前に、まずは社内人材の発掘可能性がないかを課している場合も少なくありません。内部のタレントを調査することで、スキルや過去の経験から当該ポジションで十分活躍できる社員を見つけることが可能です。その際、CDFなどのタレントマネジメントの仕組みがあれば、この施策は一段と容易になります。

人事部門は、様々なタレントアクイジションの施策を組み合わせて戦略を立てることが必要です。組織の置かれた状況は千差万別ですので、共通する方程式があるわけではありません。当社では、長年の知見をもとに最適なタレントアクイジションプログラムのご提案と支援を行います。

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