オンボーディングプログラムとは

オンボーディングプログラムとは、新しく採用した社員ができるだけ早く会社に慣れ、結果を出せる状態にサポートするプログラムです。オリエンテーションという似たような用語もありますが、後述するようにオリエンテーションはオンボーディングプログラムの一部に過ぎません。初期の段階で、人事部門(教育、人材開発部門)が積極的に関わり、徐々に現場のメンターや上司に関与を促すことが大事です。当社では、入社社員(新卒・中途)が早期に組織の”メンバー”となって活躍することを促進する一連のプログラム体系(オンボーディングプログラム)の設計・導入そして運用を支援します。

およそ半数の会社がしっかりとしたオンボーディングプログラムがないと言われています。新規採用した社員の定着率を高め、成果を発揮させるため、戦略的なオンボーディングプログラムを用意することが肝要です。社内風土や業務内容を適切に伝えることで、入社社員は安心を感じ、成果を上げることができます。
米国の例では、オンボーディングプログラムがある企業のほうが、新加入した社員は50%以上の生産性を発揮し、定着率も69%高いという調査結果もあるようです。一人を新規採用するコストは、社員の人件費の20%弱と言われており、新規加入した人材に最大限活躍してもらうことは会社にとっても社員にとっても望ましいことです。

オンボーディングプログラムとはなにか?

オンボーディングプログラムとは、新しく採用した社員ができるだけ早く会社に慣れ、結果を出せる状態にサポートするプログラムです。優れたオンボーディングプログラムのプロセスは、以下の点を踏まえています。当社では、これらを全て踏まえたオンボーディングプログラムをカスタマイズしてご提案します。
コンプライアンス:事業に関する基礎的な法律知識、規制、ルール等を伝える。

明確性:業務内容、期待する成果、評価制度、プロセスを伝える。
社内文化:人事制度、教育制度はもちろん、非公式な社内用語や慣習などを伝える。
組織の中の関係性:組織内の人間関係や部門間の関係を伝える。

戦略的なオンボーディングプログラムのフローとは?

加入した社員にとって、新しい組織に慣れることは簡単なことではありません。そのため、戦略的なオンボーディングプログラムが必要になります。当然これには、人事部門、メンター、上司、新卒なら同期との繋がりなど、様々な角度からのサポートが必要になります。入社メンバーができるだけ早く業務に慣れ、社内に居場所を感じてもらう必要があり、それによって定着率や発揮する成果を高めてもらうことができます。

当社では、豊富な事例をもとに、適切なプログラムの開発をサポートします。 オンボーディングプログラム5つのステップ 戦略的なオンボーディングプログラムを設計するには、当社は5つのステージがあると考えています。準備、オリエンテーション、インテグレーション、エンゲージメント、フォローアップと繋がっていきます。初期の段階では、人事部門が主導となって動きますが、徐々に現場の上司やメンターなど各事業部門にその役割が移っていきます。

準備

まずは、転職者、新卒内定者の受け入れ準備を進める必要があります。公的な必要書類作成、経営理念、社内制度、各種保険手続きの説明など従業員の就業環境に関する説明は漏れなく行わなければいけません。手続きが非効率的な場合は、今一度各フローを見直しましょう。 オリエンテーション オンボーディングプロセスのうち、オリエンテーションのステージは、入社日の週に行います。このステージは、基本的には、人事部門が執り行います。
・税金関係手続
・社会保険手続き、福利厚生(住宅、家族手当等)手続き等
・オフィス、関連設備の紹介
・必要なソフトウェアの紹介、業務上必要な申請フォームの紹介等

インテグレーション

このインテグレーションのステージでは、6か月~12か月をかけ、入社社員のサポートを行います。上司やメンターは積極的に関与を行い、徐々に業務で結果を残せるように環境を整え、教育を行います。

エンゲージメント

エンゲージメントのステージは、入社後継続的に行います。上司、部下、同僚など様々なメンバーが関与することが望ましいです。例えば、職場によりけりですが、様々なチームを紹介するなど、社内ネットワーク構築に協力するなども良いでしょう。

フォローアップ

フォローアップのステージでは、入社社員の業績、成果やインテグレーションがどのように進んでいるかを総合的に評価します。例えば、3か月後、6か月後、1年後などマイルストーンを設定して、評価する時期を設定します。人事部門は社員と面談を行い、その期間の成果がどうであったか、どのくらい職場環境に慣れたかを、総合的に評価します。それにより、どのようなサポートを行うかを決めます。場合によっては、オンボーディングプログラムの改善や見直しを行うようにしましょう。

オンボーディングプロセスの時間軸

オンボーディングプログラムは時間軸に沿って作成すると良いでしょう。入社前からの準備に加えて、1年間程度のきちんとしたプロセスを準備しましょう。業務内容、責任範囲、社内ネットワーク、研修システム、能力開発、職場環境など様々な説明が必要です。人事部門、採用スタッフ、研修担当者、上司、同僚など様々なメンバーの関与が求められます。当社が作成した1年間のオンボーディングプログラムの一例を以下にご紹介します。

社員加入前

採用が決定したら、入社日を決め受け入れの準備を行います。この段階では、入社に際する書類準備や入社社員からの質問対応などがメインになります。給与、福利厚生、各種保険、オリエンテーション、研修、オフィス環境、IT関連のセットアップ等、漏れがないかチェックリストを作成しておきましょう。

入社日

入社日には、基本的に人事部門が中心となり入社社員を温かく迎え入れましょう。オリエンテーションのために、会議室等に案内し、必要書類の記入などを行ってもらいます。PCや業務関連ソフトウェアのセットアップもできるだけ早い段階で済ませましょう。不安を感じる社員もいるので、第一週のスケジュールは早めに伝えてあげましょう。コミュニケーションはできるだけ綿密にとります。そして、上司、部下、同僚などチームメンバーを紹介する場(ランチなど)を設けます。リラックスした環境で情報交換できるような場にすると良いでしょう。もし可能であれば、数日でこなせるような業務に関する簡単なタスクを与えることでメンバーとの繋がりをキープすることができます。

第一週まで

最初の1週間は、上司やメンターが入社社員に積極的に関わるようにしましょう。簡単なタスクを行ってもらい、報告を受け、徐々に複雑な業務を指示しましょう。そして、仕事のスピード感を高めていきます。緊張や不安を感じやすいので、上司やメンターを社員のケアを行い、居心地の良さを感じてもらうことが必要です。この段階で大きなトラブルが起これば、組織にとっても個人にとっても大きな損失です。

一か月目まで

最初の一か月間は、主力メンバーとして活躍できるよう、より複雑な業務を入社社員に与えます。また、社内外の人脈を積極的に紹介します。当然、頻繁なコミュニケーションを意識的に行います。特に、上司とのOne-on-Oneミーティングは重要です。きちんと頼んだ業務が完了しているか、過大な不安やストレスを感じていないか、精神面でのサポートを大事にしましょう。人事部門は給与や福利厚生関連など漏れがないか改めてチェックしましょう。

三か月目まで

三か月が終わるまでに、上司やメンターは入社社員の簡易的な評価やフィードバックを行うと良いでしょう。そして、本人から職場環境についての感想や意見を聞く機会を設けましょう。人事部門から直接打ち合わせを行うことも効果的です。現場では主力メンバーとして、仕事を任せ、公式・非公式の社内イベントに招待し、様々な人脈を紹介するなど、社内風土に十分に慣れてもらうようにしましょう。

六か月目まで

6か月目時点で、ある程度業務の評価ができるようになっていると思います。半年の業務の成果のレビューを行いましょう。人事部門は、オンボーディングプログラムに対する改善点や課題はなかったか、現場に確認をします。この時点で、入社社員は社内風土や文化にも十分に慣れており、チームの主力メンバーとして活躍している状況でなければいけません。もし、そうなっていなければ、人事部門は、オンボーディングプログラムを見直します。職場環境はどうか、上司やメンターとの関係性はどうか、入社社員の業務遂行能力はどうか、多面的に考察しなければいけません。採用プロセス、人材開発制度を見直す必要もあるかもしれません。

1年後まで

6か月目まで、順調に進んでいる場合はその方針で良いでしょう。問題があった場合、特に各種部門と協力して仕事を進めることができているか、社内風土に馴染んでいるか、チームメンバーとの人間関係などをチェックしましょう。上司は、通常の人事評価プロセスに載せ、適切な評価とフィードバックを行います。また、人事部門は、引き続きオンボーディングプログラムへの課題や改善点がないか現場や本人に確認し、より良いオンボーディングプログラムの設計を行いましょう。

良いオンボーディングプログラムのために

上記の通り、オンボーディングプログラムを成功に導くためには、事前の準備や様々なメンバーの関与が必要です。当社では、長年の経験をもとにクライアントのニーズにあったオンボーディングプログラムやチェックリストをご用意し、カスタマイズを行います。人事部門や現場の負担をできるだけ省いた、効果的なオンボーディングプログラムの整備を保証します。

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