社員の退職防止のためのプログラム体系(リテンションプログラム)の設計・導入そして運用を支援します。リテンションは社員の入社時から始まり、退職率上昇局面ではなく日常的の準備・取組みを推進します。

リテンションプログラムとは?

リテンションプログラムとは、社員の総合的な職場満足度を上げ、離職率を下げ、組織の永続的な成長を達成するための様々な施策のことです。

想像してみましょう。組織にとって、優秀な社員からある日突然退職を申し出られることほど恐ろしいことはありません。あなたは、直ちに優秀な社員が抜けたあとの穴をどのように埋めるかをすぐに考えなくてはなりません。変わりがすぐ見つかることは稀でしょう。一方で、部門の業績に与える影響を考えると残された時間はありません。

同僚は何を考えるでしょうか。何人かは退職をリアルに感じ、転職活動を始めるかもしれません。一部の企業は、社員の定着率や職場満足度を高めることを最優先の経営課題にしています。現場の上司の目標として設定することも珍しくはありません。日本マンパワーでは、リテンション(社員の定着率、満足度向上)に関する知見があり、クライアントの資産である人材を強固に守ることができます。様々な施策を講じ、積み重ねによる正攻法しかありません。特に、同業他社との比較が重要になってきます。給与や賞与は重要な要素ですが、それだけで人材を引き留めることはできません。

当社が考える効果的なリテンション施策

リテンション施策がうまく機能するためには、従業員目線の施策検討が欠かせません。一方で、社員の価値観は想像以上にばらばらです。唯一共通していることは、自らの仕事や存在が認められ、感謝されている、役に立っている感覚を感じていたいということです。組織、上司、同僚からの承認が満たされやすい仕組みを作ることが肝要です。もちろん、給与が同業他社、業界水準、あるいは県や地域よりも圧倒的に低い水準であれば、意味をなしません。しかしながら、多少の給与差はリテンションプログラムの拡充でカバーできます。

組織として、社員の満足度を高める仕組みを構築し、発信していくかがリテンションプログラムの成否を決めます。当社の考えるリテンションプログラムの施策を以下に記します。

1.オンボーディングプログラムの整備

転職者、内定者を迎え入れ、職場ですぐに活躍してもらうためのプロセスをオンボーディングプログラムと呼びます。オリエンテーションにおいて、業務内容や会社のルールだけを伝えるのではなく、社員が職場で活躍できるような体制づくりを整えることが必要です。社内文化に馴染んでもらう必要があるため、人事部門は上司やメンターとも連携して総合的なサポートを提供します。詳しくは当社のオンボーディングプログラム作成のページをご覧ください。

2. メンタープログラムの整備

社員に対してメンターを付けることは非常に効果的です。メンターとは、業務やプライベートなど、様々なことに相談に乗り、アドバイスを行う存在です。例えば、若手社員には同じ部門の中堅社員をメンターとして指名し、食事代の補助を行うなどコミュニケーションを促します。社員同士の交流が活性化し、社員の安心感や帰属意識を高めることができます。なお、メンターと上司は違った役割になりますので、同一人物が行わないようにしましょう。

3.報酬制度の見直し

上述した通り、ある程度の給与、手当、福利厚生水準の維持は必要です。特に同業他社、県や区といった近隣地域との比較、年齢的なバランス(生活保障給)など相対的な感覚を意識するべきです。明らかに期待水準よりも下回っている場合は、モチベーションダウンにつながります。人事評価による成果給によって差が生じるのであれば、給与カーブをある程度開示するなど、勤労意欲を上げ、納得感を高めるための施策が必要です。場合によっては、報酬制度を見直すこともありえます。従来の年功給そのものを考え直すことも必要かもしれません。報酬制度に関する課題は各社各様です。当社には様々な知見がありますので、ご相談いただければ適切な解をご提案できます。

4.従業員特典、補助

簡単に言うと従業員が受けられるささやかな特典や補助のことです。欧米企業では、Benefit(福利厚生)と分けてPerkと呼ばれることもあります。例えば、会社補助のグループランチ、軽食やお菓子コーナーの設置、無料のコーヒー、スポーツクラブの団体割引など大きなコストを要さないものです。社員が必要としているものであれば、満足度を高める費用対効果は想像以上に大きなものになります。なるべく公平で賛同が得られる取り組みになるように、事前調査は行うべきです。ボランティア活動など社会的活動への補助や会社としての取り組みも、帰属意識を高めることができます。

5.生活不安やリスクへのサポート

社員を身体的にも精神的にも健康でいてもらうための補助も検討すると良いでしょう。健康問題はもちろん、住宅ローンや老後資金問題なども、社員のメンタルに大きな影響を与えます。会社として、フィットネスへの加入補助、健康診断の推進、ストレスマネジメントのセミナーやフィナンシャルプランナーを紹介するなどサポートを拡充しましょう。

6.コミュニケーション活性化

社内に公式、非公式関わらずコミュニケーションやフィードバックの重要性を普及させましょう。上司と部下とのコミュニケーション不足や軋轢は従業員の離職に直結します。年度末の評価を行う段階で、上司から思いもよらないフィードバックを受けた部下はひどくやる気を失います。部下は様々なアイディア、不安、質問を抱えているはずです。日ごろからフィードバックが気軽に行えるような環境を会社として推奨しましょう。コミュニケーションの接点を増やすための補助を行うと良いでしょう。メンター制度も活用すると効果的です。ハラスメント防止法対策など、各種ハラスメント撲滅に対する取り組みも必要です。

7.部下から上司へ期待をヒアリングする

上司として部下の業務を評価する仕組みはありますが、部下と全体総括につき意見交換をする場を設けている企業は多くありません。部下からも、上司に対する期待を聞く機会を設けることで関係性を良くしていくことが必要です。対応不可能な無理な要求に応える必要はありませんが、お互いにとって良いと思われるものは柔軟に取り入れましょう。

8.自己啓発の推進

従業員のスキルアップや成長機会への補助は最優先事項です。休日を利用した自己啓発学習への補助は交通費や研修費用の補填などを拡充すると良いでしょう。当社ではCDFの作成コンサルティングを行っておりますが、昇格に必要な資格や研修を洗い出すと学習補助の仕組みがより明確になります。

9.認めて褒める風土を作る

全ての人間は、相手に認められて感謝されたい欲求を持っています。感謝することで相手のエンゲージメント(モチベーションや帰属意識)は大きく向上します。感謝が気軽に行える文化を作ることは、社員の満足度向上と切っても切れない関係にあります。表彰制度、経営陣からの労いのメッセージ、サンキューカードの交換、上司からのささやかなプレゼントなど、今すぐに実施できる施策は多いはずです。少ない予算でも良いので始めてみると、その効果の大きさに気付くでしょう。

10.ワークライフバランスの改善支援

政府の推進するワークライフバランスの実現はどの程度できていますか?多様化する価値観の中で、総労働時間の減少傾向は間違いなく続きます。世代による仕事への価値観は益々大きくことなってきています。社員のバックグラウンドの多様化も進むでしょう。仕事を常に最優先させるような社風では、従業員の定着率や満足度は向上しません。次のステップとして、選ばれる可能性はありますが、そこを最終目的地として入社する社員は少ないでしょう。会社としてワークライフバランスを重視するというメッセージを発することが必要です。有休消化率の向上、徹底した残業管理、業務時間外のメールのやり取り規制、テレワークの推進などできるところから手を付けていきましょう。新型コロナ対策でテレワークは一般化しました。管理職の評価指標に就業環境の整備に関する項目を入れるなど、仕組み化することも効果的です。また、経営陣が時勢に遅れるとちぐはぐなメッセージになってしまいますので、意識改革はトップから行うべきです。

11.勤務時間の柔軟化

従業員の生活環境に合わせて、勤務時間を変更する制度を取り入れる会社も増えてきています。フレックスタイム制は一般に浸透しつつありますが、週休3日制の導入、新型コロナ対策で行われたようなシフト制での出勤も制度として導入することも検討しましょう。長距離通勤によるストレスを軽減するだけで、従業員の心身の健康は大幅に改善します。あくまで職種によって異なりますが、固定観念をできるだけなくし、ゼロから見直しましょう。

12.変化への対応

合併、リストラ、配置転換などビジネスを行う上で、変化はつきものです。そして、変化によって従業員の離職が増えます。大きな変化の渦中での対応は難しいかもしれませんが、うわさが蔓延する前に、従業員に正確な情報を発信することが必要です。対象者には、限られた情報しかなくても、できるだけ早く、顔を合わせて情報提供を行いましょう。

13.コンプライアンスの徹底

不祥事、パワハラなど企業を巡る悪いニュースは従業員の満足度を大きく下げます。企業のブランドイメージが落ちることで、株価などの外的な経営指標が悪化するだけでなく、そこで働く社員のモチベーション低下、生産性の低下にも繋がります。特に、パワハラやコンプライアンス違反に対しては、経営陣として、強く糾弾する姿勢を見せることが必要です。当然、社内研修も必須となります。近年では、社員のSNSの使用についても注意喚起、指導する企業も増えています。

14.節目の行事を行う

従業員の勤続10周年のお祝い、困難なプロジェクトの完了のお祝い、目標達成のお祝いなど、節目の行事を行うことも良いアイディアです。チーム意識を高め、次の仕事へ向けてのモチベーションになります。

最後に

企業の置かれた様々な状況を見て、出来る限り上記の施策を試してみましょう。当社ではクライアント企業の人事制度に合わせて、効果的な施策をご提案し、実行計画のサポートを行います。コンサルタントを通じて、他社の成功事例や失敗事例から学ぶことが、成功への近道です。

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