社員のキャリア開発、人材開発プログラムの設計は従業員満足度を上げ、組織の成長を促進するキードライバーになります。すべての社員は相手や組織に貢献し、認められたいという本質的な願望を持っています。貢献をするためには、自身の能力開発や成長が欠かせません。社員や外部に人材開発を丸投げしている状況では、優秀な社員のみが自発的に成長し、平均的な社員との差は開くばかりです。会社としての羅針盤がなければ、社員は信頼してキャリアを築くことができません。そのうち、社員はやる気を失ってしまい、成長意識は薄れてしまうでしょう。最終的に、優秀な社員の業務負担は増すばかりで退職に繋がってしまいます。
企業側で整えるべき仕組みとして、代表的なものは以下のとおりです。
- キャリア開発支援サービス
- ラーニングマップ(研修体系)
- キャリアマップ
- スキルマップ
このページでは、キャリア開発支援サービスとラーニングマップとについてご説明します。
キャリア開発支援サービス
経団連は2020年3月に「Society5.0時代を切り拓く人材の育成ー企業と働き手の成長に向けてー」を発信しましたが、そのキーワードの1つが「従業員の自律的キャリア形成の支援」、「学びと成長を促す環境整備」です。従業員が育ち、働き手から選ばれる企業の実現に向けて、企業が従業員のキャリア自律を支援するための仕組みや施策の整備が本格的に求められる時代に突入しました。会社側から従業員のキャリア開発支援を促すサービスを提供することが求められています。
例えば、以下の取組を行うケースが一般的です。
- キャリアに関するサーベイの実施
- キャリア開発支援に関する指針の作成と公表
- 社内制度説明の映像、オリジナル冊子等の配布
- キャリア研修(年代別、階層別)の実施
- 上司向けキャリア面談トレーニング
- キャリアカウンセリング機会の提供(相談室の設置、相談対応者の育成)
- 外部専門家への相談体制の確立
お客様の課題に合わせて様々な打ち手を検討する必要があります。日本マンパワーでは1967年の創業以来、キャリア開発や人材開発について様々なサービスを開発・提供してきております。そのノウハウやネットワークを活用してご支援可能です。
ラーニングマップ(研修体系)
ラーニングマップは、研修体系などの人事制度側で定義した必要能力の開発のための育成施策=成長機会(研修等)を一覧にしたものを指します。縦軸にはプロフェッショナルレベル(例えば、等級をベースにした能力の発展レベル)をとり、横軸にはプロフェッショナルカテゴリー(例えば、職種や職群のカテゴリー分け)をとって一覧表を作成します。その一つ一つのマスに、研修、セミナー、通信教育、メンタリング、社内コミュニティや勉強会、等を計画していきます。ラーニングマップ作成には、各プロフェッショナルレベルや各プロフェッショナルカテゴリーの分け方を整理する必要があり、それぞれのマスに必要とされるスキル、能力、経験などが定義されていなければなりません。そのためには、スキルマップを用意することが必要です。社内では、暗黙知として、各等級、年次や職種において求めるスキルがあるのですが、明示されているケースは稀です。
このラーニングマップと、スキルマップ、キャリアアップの3つを体系的に整理したものをCDF(Career Development Framework)と呼んでいます。スキルマップとキャリアマップについては、以下のページで解説していますので、そちらも御覧ください。